韓国への制裁はやりすぎか?そんなことないよ。
今日、4日から日本の韓国に対する輸出規制が始まった。フッ化水素などの韓国の経済の大黒柱である半導体製造に欠かせない材料が対象で、輸出ごとに政府の許可が必要になるこの措置は、承認までに約90日を必要とする。この措置、韓国の経済を支える半導体事業に直接影響するため、なかなか強力なのではないだろうか。日本企業や世界中の企業に影響を及ぼすため、いくらなんでもやりすぎだ、という意見もあるが、実際どうなんだろう。
様々な意見
そもそもなぜ日本が経済制裁じみたことをしているのか。それは韓国の徴用工問題をめぐる裁判で日本企業が慰謝料の支払いを命じられたこと。日本としてはもう解決済みのことなので自国の企業に損害が発生するのを黙ってみているわけではない。加えて韓国は今まで何度も一度した合意をひっくり返してきた国。徴用工判決を解決する手立てとして韓国側が何かアクションを起こしてくれ、と日本側から要請していたが何もしないのでついに我慢できずに経済制裁をした、ということ。
これ、厳密にいえば制裁ではなく、日本政府の立場では輸出管理の見直し、という程度。内容も禁輸をするというものではなく今まで長い手続きが必要なかった輸出に長い手続きが付けられ、承認されなければ輸出できない、ということ。
今回の日本政府について様々な意見があります。
経産省が発表した韓国への半導体材料の禁輸措置は、明らかに徴用工問題への意趣返し。韓国経済にダメージを与えようという安倍政権の“嫌韓ネトウヨ”思想が透けていますが、これはハッキリ言って「諸刃の剣」です。日本の経済損失は、億単位では済まない可能性も。記事は本日の3面に掲載 pic.twitter.com/NkHanrxKGd
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2019年7月2日
そしてこちらは現職の経済産業大臣のツイート。
そもそも日本は2004年まで韓国を非ホワイト国としてきました。日本から見て安全保障上の輸出管理体制が不十分と判断されていたからです。今回の措置は2004年以前の手続きに戻すだけ。
— 世耕弘成 Hiroshige SEKO (@SekoHiroshige) 2019年7月3日
韓国政府は今回の措置に対しWTO提訴検討と言っているが、では2004年以前にはなぜ提訴しなかったのか?
半導体製造に不可欠な材料の輸出を規制すると、その材料を輸出している日本企業、半導体を輸入している日本企業、さらには世界中の企業に影響が出るとの声がメディアを中心に上がっている。韓国への制裁が日本の不利益をもたらすというものだ。
果たして、日本の政策はやりすぎなのだろうか。実際、今回の措置は極めて強力なものだといえる。
強力な措置だからこそ、韓国への日本の「本気度」を示しているのではないだろうか。
今まで韓国が合意を捻じ曲げても、いくら日本に不利益な行動をしようとも、日本はこれまで韓国に対して何もせず、ただじっと我慢してきたのが現実である。その中で、日本には何でもしていい、というような風潮が韓国内であったのも事実だ。
自衛隊機にレーダーを照射したあの事件が典型的な例だ。銃口を向けることと同様の行為を他の国にやっていたら大変なことになっていた。日本だからやっちゃえ、というような感覚なのだろう。
今まで日本は何もしなかったのだから、まさか半導体の材料を輸出制限するなんてことはしない、と思っていたかもしれない。そんな中、他国に制裁何てしたことない日本がついに制裁に踏み切ったことで、韓国もやっとことの重要性に気づいたのではないだろうか。
なんてったって今の韓国の大統領は北朝鮮にしか興味がないといっていいほどの人物、ムンジェインだ。悪口を言っているわけではないが、これだけ北朝鮮について頭を使っている人物が、日本のことを時間をかけて考えていないはずだ。日本との関係よりも北朝鮮との関係改善をいそいでいるからだ。
そんなムンジェイン政権に、日本の気持ちをぶつけるには、こうしたインパクトのあることしかないのである。すこし強力すぎる措置しかないが、これ以上問題を長期化させないための策でもある。
安倍総理もやりたくてこんなことをしているのではないのだろう。単に韓国の経済を苦しめたくてやっているのではないだろう。でもこれまで何度も警告をしてきて、約束を守れなかった韓国に対して日本の本気度を伝えたかっただけなのだ。
この措置をまともに食らっていまえば韓国は国家運営が非常に厳しくなるのは間違いない。どうにかしてこの状況を脱するのだろうが、果たして、日韓の関係は今後どうなっていくのだろう…。