かわいそうでならないファーウェイ。強いアメリカ
米中の貿易戦争の一環として、アメリカのトランプ大統領が中国の通信機器大手のファーウェイへ圧力をかけている。
ファーウェイは今世界のスマートフォンシェアでアップルを抜いて2位になっており、その製品の性能の良さとコストパフォーマンスで世界中から支持を受けている今世界で最も”イケイケ”な企業の一つであった。
ところが、米中貿易戦争の影響がそのファーウェイにまで及んだのである。
アメリカはファーウェイの製品を使うと機密情報が盗まれるとか、ファーウェイは中国政府とつながっていてファーウェイ製品を使うと情報が中国政府に流出してしまうなど様々なことを言っているが、これらの事実だけを見ると、ファーウェイがかわいそうだとしか思えない。
この影響はファーウェイが製造するスマートフォンにまで及び、2019年6月16日現在、人気機種のP20 liteが値下がりをし15,000円ほどで入手出来てしまうという事態にまで陥っている。
アメリカに迫る中国。それを食い止めたいアメリカ
中国は経済成長が鈍化したとはいえ、その成長はすさまじい。現在でもパーセンテージで言えば一桁台後半後半の成長率を記録しているし、経済第二位を日本から奪った時からも何倍も成長している。世界の二大経済大国といえば中国とアメリカであり、どの国であってもこの二つの国の影響は避けられないであろう。
そんな二大大国であるが、予測では将来近いうちに中国の経済規模がアメリカを超えると予想されている。中国が現在6パーセント台の経済成長を遂げているのに対し、アメリカは頑張っても3パーセントである。もはや追い付かれるのは時間の問題でもあり、それは避けられないとも思われる。
まさに盛者必衰。アメリカは衰えているというわけではないが、中国の成長がすさまじく、アメリカ一強の時代は幕を閉じかけている。
そんな中、アメリカも中国をいじめたいのは当然のことである。中国は年々その存在感を増している。それをなんとかして食い止めたいのだ。
ファーウェイが制裁されて、中国は黙ってられるの?
ファーウェイへの制裁はとても厳しいものである。現在のスマートフォンというのはほぼ二極化しており、Appleが提供するiPhoneのiosというOSを積んだ機種と、GoogleのAndroidというOSを積んだ機種とで分けられる。ファーウェイはandroidを積んだ機種を販売し、販売台数世界二位まで躍り出たが、Googleはもうファーウェイにandroidを提供しなくなるらしい。そしてアプリも。つまりyoutubeやplayストアも使えなくなる。実質スマホとして使えなくなるのも同然のことである。
これを受け、ファーウェイは今年から来年にかけて独自OSを発表するとうわさされている。しかし全世界で定着したAndroidとiosの二大OSの牙城を崩すのは容易ではない。さらに現在ファーウェイ製のスマートフォンが値崩れする事態も発生しており、現状は深刻である。
今現在、中国は様々な対抗措置を検討しているとみられているが、ファーウェイの制裁が決定して以降、特に大きな動きを見せていない。いくらアメリカのほうが経済規模が上回っているとはいえ、二国の関係は非常に緊密である。貿易戦争や経済戦争をしても、互いに大きな傷を負ってしまうのは周知の事実である。それでもお互い引かないのは、大国としての意地とでもいうべきなのだろうか。
このまま中国、ファーウェイはアメリカに屈してしまうのか
さて、中国とファーウェイはアメリカに屈してしまうのかというとそうではないだろう。先ほど述べたように、両国の経済関係は非常に緊密である。中国もアメリカもお互いが依存関係であるのだ。トランプ大統領はアメリカファーストを掲げているが、今の時代グローバルな時代に他国との経済関係は必要不可欠である。中国の企業もアメリカの企業も、お互いの製品は相手国で作られたり、部品が製造されたりしているものも多い。貿易戦争や経済制裁の先に待っているのは血を流した両国の姿であるだけで、結局どちらがどちらに屈するという状況は生まれないだろうと予測される。だからこの貿易戦争は、はっきり言って誰も得しないのである。
ファーウェイも屈することはないだろう。アメリカやその同盟国が中国に背を向けたとしても、ヨーロッパなどは背を向けないだろう。それに加え、中国が成長した末のアメリカとのこうした事態に対して前もって準備していただろう。
中国に大打撃を与えることなど、米国が思うほど簡単ではないのである。また、もし中国に大打撃を与えるとするならば、アメリカも同時に大打撃を受けることになる。
中国が成長しているのが今の世界の流れである。アメリカはそれを止めようとして貿易戦争や経済制裁をしても、実際は誰も得しないのである。
日本企業や日本経済に悪影響が出ることだけは、どうしても避けてほしい事態である。
以上、わたくしそうたのちょっと長めの独り言でした!!
あくまで私個人の見解です!!